1種換気VS3種換気!より気密が必要なのはどっち?【Q&A】
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こんにちは、日本住環境 広報部(イエのサプリ編集部)です。
このブログでは良い家づくりに必要な情報を丁寧に解説していきます。
これから家を建てたいと考えている一般の方はもちろん、実際に家づくりに携わっている方にも「タメ」になる情報をお届けします。
24時間換気をしっかり稼動させるには、家の気密性能が欠かせません。
C値(家に対する総隙間面積の値)が0㎠/㎡に近づき、気密性能がよくなるほど24時間換気は計画通りの換気をしてくれますが、具体的にどのくらいのC値が必要なのでしょうか?
今回のブログでは、24時間換気と気密性能について一歩踏み込んで紹介していきます。
目次 [表示させる]
第1種換気・第3種換気に必要な気密性能(C値)
イエのサプリでは、第1種換気でも第3種換気でも1.0㎠/㎡を下回る気密性能を推奨しています。
C値が1.0㎠/㎡を上回ると給気口から入る給気量は50%を下回り、スキマからの給気割合が増えてしまうからです。
C値が0㎠/㎡に近づくほど計画通りに換気できますが、0.5㎠/㎡から1.0㎠/㎡ぐらいの気密性能があれば十分に24時間換気を稼動させることができます。
第3種換気より第1種換気の方が気密性能は必要
第1種換気と第3種換気、どちらの24時間換気にするか迷っている人から「第1種換気と第3種換気では、どちらの方がより気密性能が必要になりますか?」といった質問を受けることがあります。
この質問への答えは、有限会社北欧住宅研究所が2015年に出版した「気密性能と換気計画」という本の中にあります。
「気密性能と換気計画」は、有限会社北欧住宅研究所の所長であり住環境コンサルタントの川本清司氏が実際に80棟の家をまわり24時間換気を調査した結果や、計算データなどがまとめられた本です。
この本には、室内外の温度差と気密性能によって変化する漏気量が、第1種換気・第3種換気を稼動させたときどのように変化するのかについての調査結果もまとめられています。
それによると風速6.0㎠/㎡で内外温度差が30℃のとき、第1種換気では0.09㎠/㎡、第3種換気は0.36㎠/㎡の気密性能があると室内外の温度差に影響されず、漏気がなくなると記載されています。
気密性能は第3種換気よりも第1種換気の方が必要という結果ですが、なぜこのような結果になったのでしょうか?
その理由は、24時間換気を稼働するときの圧力差にあります。
空気には「煙突効果」と呼ばれる働きがあり、下に溜まった冷たい空気が室内に入ろうとし、暖かい空気は室外へ逃げようとする空気の動きです。
第1種換気は排気するファンの力が弱いと、この空気の動きに負けてしまいスキマが多いほど漏気量は増えていきます。
一方で、第3種換気は換気を稼働させることで室内が負圧(建物外より建物内の気圧が低くなること)となり、気圧の高い室外から気圧の低い室内へ空気を引き込む力が働きます。
そのため、煙突効果による空気の動きに空気を引き込む力が対抗し、第1種換気と同じくらいのスキマがあっても給気口からの逆流を防ぐことができます。
ただ、紹介した気密性能は室内外の温度差が30℃で風速が6m/sを想定したケースです。
関東や温暖地域では、室内外の温度差が30℃になることは真冬のごく数日以外ほとんどありません。
そのため、ここまで気密性能を高めなくても十分な稼動が見込めると言えます。
24時間換気が機能する気密性能の高い家をつくるには
気密性能はいい部材を使用しても、施工次第で性能が変わってきます。
高気密の家を建てたい場合は、実際に施工する工務店選びが重要です。
選ぶ際は施工途中の現場を確認し、気密への考え方や今まで建ててきた家のC値について話を聞き判断しましょう。
・施工現場のポイント:構造見学会へ参加し、気密処理を確認する
・気密に関するポイント:過去のC値が1.0㎠/㎡を下回っており書面上でC値を約束してくれる、気密測定をしている
また、家が竣工する前に気密や断熱、換気など家の性能についての知識を持っておくことをおすすめします。
NJKブログをはじめ「イエのサプリ」チャンネルでも気密や断熱、換気など家の性能について紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
24時間換気に気密性能は欠かせませんが、特に第1種換気の方が必要だということがわかりました。
ただし、C値1.0㎠/㎡を下回れば24時間換気は十分に稼動してくれますのでご安心ください。
気密性能を高めるには、依頼する前に施工会社を自分の目で見て、数値を聞いて確認するようにしましょう。
また、気密性能のよい家でも24時間換気のメンテナンスや掃除を怠ったり、引き渡し時から給気口が閉まりっぱなしだったりするとしっかり機能してくれません。
日々の暮らしの中で、24時間換気がしっかり稼動できるような状況をつくることも重要です。
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