【超大手ハウスメーカー】全館空調の住宅を丸裸にしてみた!!リカバリー施主の努力やいかに。
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こんにちは、日本住環境 広報部(イエのサプリ編集部)です。
このブログでは良い家づくりに必要な情報を丁寧に解説していきます。
これから家を建てたいと考えている一般の方はもちろん、実際に家づくりに携わっている方にも
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全館空調を採用するか考えた際、不安なのが月々の電気代。
「高すぎる」という意見もありますが実際はどうなのでしょうか。
今回のNJKブログでは、実際に全館空調を採用した施主へ電気代や住み心地、後悔していることはないかなどをお聞きしました。
また、全館空調を採用する際に、できるだけ電気代を安くする家づくりのポイントについても紹介します。
目次 [表示させる]
【体験談】全館空調がある家の電気代や住み心地を取材!
全館空調で24時間換気は第1種全熱交換換気を採用し、C値が1.34㎠/㎡のB邸のお施主に電気代や住み心地を聞いてみました。
2世帯で〇万円!全館空調の電気代は?
全館空調を採用すると、24時間エアコンを運転させるため、一般的に電気代は微増する傾向があります。
高い家では、1ヶ月の電気代が3~4万円になることも珍しくありません。
B邸では、全館空調を採用する際、ハウスメーカーに「すごく高いので気を付けた方がいいですよ」と言われていたそうです。
実際には想像よりも安く、1番高い1~2月でも電気代は2世帯住宅で約2万円。
1世帯1万円で収まっていて、電気代は以前とほとんど変わらないそうです。
全館空調での住み心地は?
住み心地としては、家中が一定の室温に保たれかなり快適に過ごせているようです。
全館空調を採用しても気密性能や断熱性能の悪い家では、中性帯ができてしまい1階と2階で温度差が出てしまうこともあります。
断熱性能がG2、C値が1.34㎠/㎡のB邸では上下階での温度差をほとんど感じませんでした。
お施主の希望で付けたシーリングファンや吹き抜けも、空調がうまくまわるように設置されており、住み心地のよい家をつくるポイントになっています。
全館空調にして後悔はある?
B邸のお施主が全館空調を採用して後悔したのは「ダクト内の清掃の大変さ」です。
全館空調は家中の冷暖房をまかなう送風量を確保するため、フィルターの目が粗く設計されています。
フィルターで防げなかったホコリなどがダクト内に少しずつ溜まっていくため、取扱説明書に記載された頻度でメンテナンスしなければいけません。
自分で掃除できないダクトのメンテナンスに後悔を感じてしまうこともあるようです。
全館空調と部分間欠冷暖房ではどちらの電気代が安い?
全館空調はエアコンを24時間常に稼働させているため、部分間欠冷暖房より電気代が高くなってしまうケースがほとんどです。
ただし、それぞれの部屋でエアコンを運転させたり、頻繁に電源をつけたり消したりしているケースでは部分間欠冷暖房の方が、電気代が高くなる可能性もあります。
家の性能や住まい方によって電気代が変わりますので、採用する前に工務店などでおおよその電気代を算出してもらうことをおすすめします。
全館空調で電気代を安くする家づくりのポイント
全館空調の電気代が相場よりも高い場合、システムではなく家の性能に問題があるかもしれません。
ここでは、全館空調を採用する前に知っておきたい、家づくりのポイントについて紹介します。
ダクトに余分な抵抗をかけないようにする
全般空調はダクト式になりますが、ダクトが重なって潰れたり、とぐろをまいたり、くねくねと折れ曲がって配管されると余分な抵抗がかかり、送風の妨げになります。
送風量が少ないと空調が効きづらくなり、空調するために強運転を続けることで電気代が高くなってしまう可能性もあります。
24時間換気にダクト式を採用する場合、ダクトの本数が多くなるため配管経路やダクティングについては工事前に確認しておくようにしましょう。
C値1.0を下まわる気密性能を確保する
気密性能が悪く家中にスキマがあると、どれだけ室温を一定にしようとしてもすぐに空気が抜けてしまうため、強運転で送風していくことになります。
効率よく室内を空調するための気密性能としては、C値が1.0㎠/㎡を下まわり、0.5㎠/㎡に近づくのが理想です。
家の気密性能が高くなれば、ダクトを配管しなくても1~2台のエアコンで室内の空調をコントロールする方法を選ぶこともできます。
G2を理想に断熱性能を高める
全館空調で快適な家をつくるには気密性能だけではなく、空調した空気を維持するための断熱性能も必要です。
断熱性能が悪いと冷暖房しても室温を維持できません。
具体的な断熱性能としては、HEAT20が提唱するG2が理想で、断熱等級では新設された断熱等級6が相当します。
また、断熱性能を高めるために施工の丁寧さなども重要になるため、どのような施工をしているか契約前に構造見学会で確認するようにしましょう。
全館空調で省エネな家をつくる気密のリカバリー例
最後に、B邸で行っていた気密性能を上げるためのリカバリーを紹介します。
※イエのサプリ編集部では、リカバリーを推奨しているわけではありません。リカバリーをする際は専門家に相談の元、自己責任で実施してください。
お風呂まわりの気流止め
家の北に設置されることの多いお風呂まわりは、家の中でも寒くなりやすいポイントの1つです。
B邸では、お風呂の四方に気密テープが貼られ気流止めされていましたが、木に貼り付いておらず剥がれている状態でした。
ザラザラした質感の木に気密テープが貼り付いておらず、めくってみると大きなスキマができてしまっているのがわかります。
手を当ててみるとスキマ風を強く感じました。
また、お風呂場の四方にスキマができていることで、点検口からも空気が漏れ出していました。
スキマを一液の発泡ウレタンで埋めるか、ビーズ法の断熱材や小さくカットした断熱材を入れて気密テープで処理することで、スキマ風を止めることができます。
家の入隅・出隅の気密処理
家の入隅や出隅は気密層や断熱層が途切れ、スキマになりやすい場所の1つです。
B邸では施主がリカバリーを行い気密テープで塞いでいましたが、熱画像カメラでみると塞ぎきれておらず、青くなっているのがわかります。
奥までしっかりテープ処理をすることで、スキマ風を止めることができます。
B邸は気密のとりやすい2×4工法で建てられた家ですが、設備周りは穴をあけて配管や配線を通していくため、どうしてもスキマができやすい場所になります。
なので、2×4工法で家を建てたとしても安心せず、入隅・出隅や配管、配線の通る場所はスキマができないように注意が必要です。
小屋裏の端部分
小屋裏の端部分は途中まで気密シートが貼られているものの端部で連続が途切れており、熱画像を見ると真っ青になっていました。
気密テープなどでしっかりと端部を連続させていきましょう。
巾木まわり
巾木まわりは壁と床の取り合いになり、スキマになりやすい場所の1つです。
2×4工法で建てられると壁側の気密は完璧に処理されていることも多いのですが、B邸ではスキマができていました。
ここは断熱材と木の間にスキマがあいているため、結露しやすい場所でもあります。
断熱材と木のスキマを気密テープなどでしっかり塞ぐことが重要です。
まとめ|全館空調を入れて後悔しないために
全館空調を入れて後悔する話も耳にしますが、そういったケースでは家の性能が悪いことや、希望する住まい方に合っていないことが原因かもしれません。
自分がどういった住まい方をしたいのかイメージして、C値1.0㎠/㎡以下を約束してくれる工務店に相談することで、納得のいく家づくりができるはずです。
また、全館空調にもダクトを使うものから、小屋裏冷房と床下暖房を使うもの、超高気密住宅にしてエアコン2台で空調コントロールをするものなど、いくつかの方法があります。
方法によっても初期費用や月の電気代が変わりますので、よく確認しておくことをおすすめします。
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