こんにちは、日本住環境 広報部(イエのサプリ編集部)です。
このブログでは良い家づくりに必要な情報を丁寧に解説していきます。
これから家を建てたいと考えている一般の方はもちろん、実際に家づくりに携わっている方にも「タメ」になる情報をお届けします。
構造見学会は普段隠れている家の内部構造や施工などを見られるため、契約前に工務店の対応や施工の丁寧さを確認できる貴重な機会です。
今回のブログでは構造見学会では何をするのか、見るべきポイント、参加するメリット、注意点などについて紹介します。
家づくりで失敗したくない人、工務店選びで後悔したくない人は、このブログを参考に「構造見学会」へ参加してみてください。
目次 [表示させる]
構造見学会って何?完成見学会・住宅展示場との違い
実際に構造見学会で何をするのか、完成見学会や住宅展示場との違いについて紹介します。
構造見学会では何をする?
構造見学会では、断熱気密層が完成し内装工事が始まる前の現場で家の内部を見学します。
実物を見ながら施工のこだわりや特徴について説明を聞いたり、疑問点について質問することが可能です。
また、気密を重視している工務店ではC値(※)を明示していたり、構造見学会のタイミングで公開気密測定を行い、その場でC値を見せてくれたりします。
※C値(相当隙間面積)とは…気密性能を表す数値。ゼロに近づくほど、高気密な家になる。
完成見学会・住宅展示場との違い
構造見学会、完成見学会、住宅展示場はそれぞれ別物で、下表のような特徴があります。
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構造見学会
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完成見学会
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住宅展示場
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施工方法の確認
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〇
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△
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△
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現場の状態の確認
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〇
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△
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△
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間取りや住まい方の具体的なイメージ
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△
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◎
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〇
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他のハウスメーカーや工務店との比較
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△
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△
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〇
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住宅展示場
住宅展示場では工務店やハウスメーカーのモデルハウスを見学し、間取りや居心地、設備などを実際に体感することができます。
住宅のトレンド情報が聞けたり、ローンに関する無料相談を行っていたりお得なイベントが多いのも住宅展示場の特徴です。
完成見学会
完成見学会では、引き渡し直前の家の内部を見ることができます。
施主様の家族構成や家の値段など詳しい情報も聞けるため、自分が依頼した場合の間取りや費用感など、家づくりの具体的なイメージが持てるでしょう。
また、間取りや設備には施主様のこだわりが詰まっており、自分では思いつかなかった発見があるのも特徴です。
構造見学会で見るべき4つのポイント
構造見学会に参加したら工務店選びで後悔しないためにも、説明を聞くだけではなく確認してほしいチェックポイントがいくつかあります。
ここではどのようなところを見るべきか紹介します。
床・壁・天井の断熱気密施工
夏に涼しく冬に暖かい長持ちする高性能住宅をつくるには、断熱や気密がどのように施工されているのか確認することが重要です。
具体的には、床・壁・天井で以下のような施工がされているか、確認してみてください。
- 断熱材がスキマなく詰め込まれている
- 断熱気密層が連続していて、途切れていない
- 気密テープや気密シートがよれずにピンと張られている
- 気密部材には養生テープや農業ポリシートではなく、専用の気密部材が使われている
- 配管・配線まわりにスキマがなく専用部材やテープなどで処理されている
この他にも床や壁、天井それぞれにチェックポイントがあったり、工法によってチェックポイントが変わってきたりします。
より細かいチェックポイントを知りたい方は、以下のブログを参考にしてみてください。
▲NJKブログ【床の断熱気密編】
【動画】「床」の断熱気密ポイントまとめ
▲NJKブログ【壁の断熱気密編】
【動画】「壁」の断熱気密のポイントまとめ
▲NJKブログ【天井の断熱気密編】
【動画】「天井」の断熱気密ポイントまとめ
外壁の防水処理と通気層
構造見学会では、家の内側だけではなく外側も確認しましょう。
外壁で重要なのは雨水の浸入を防ぐ防水処理と、室内の湿気を排気し壁内結露を防ぐ通気層です。
この2つは、長持ちする家をつくるためには欠かせません。
防水処理のチェックポイント
防水処理では、配管や配線に専用部材やテープで浸水しないように対応されているか確認しましょう。
また、防水シートが上からではなく下から重ねられているかも重要です。
防水シートは縦90㎜以上、横150㎜以上重ねる必要がありますので、しっかり重ねてあるかを確認しましょう。
通気層のチェックポイント
通気層では、通気胴縁として透湿防水シートの上(外側)に木材もしくは金属が一定間隔で設置されていることがポイントです。
この通気胴縁によりサイディングと透湿防水シートの間にスキマをつくり、空気の通り道を確保します。
また、下の画像のように窓枠の下の通気胴縁がぴったりくっついていないことが重要です。
このスキマがないと下から上がってきた水蒸気を含んだ空気が出られずに停滞し、外壁の劣化や変色、カビなどを招きます。
シロアリへの対策(防蟻処理)
長持ちする家をつくるには、シロアリ対策(防蟻処理)も重要です。
構造見学会では断熱気密層が完成しているため、直接床下を確認できないこともありますが、基礎の地盤の表面(GL)から1m程度のところに、防蟻剤を処理した跡が見えたりします。
薬剤によっては無色透明で目視しづらいものもあるので、跡が見えない場合は工務店に確認してみてください。
また、防蟻メーカーによってはいつ・どこに・どんな薬剤で防蟻・防腐処理したのかを証明する証明書を発行しています。
工務店によっては、証明書を現場に貼っていますので、チェックしてみてください。
現場の状態
現場の清潔さ・整理整頓
現場がどのような状況で保存されているかは工務店によって異なります。
例えば、C値0.3㎠/㎡を下まわる高気密住宅を建てる工務店の現場では、家の中が隅々まで掃除され、整理整頓していました。
また、外にはブルーシートが敷かれており、雨による泥はねを防止するなど細かな配慮が見られました。
現場が雑然としていると似た部材の入れ間違いなど、ヒューマンエラーが起こりやすくなります。
あくまで傾向ですが、現場を整頓しない工務店よりも整頓している工務店の方が、気密測定の結果がいいようです。
また、このように丁寧な配慮をしてくれる工務店の方が、依頼していて安心できるのではないでしょうか。
現場用エアコンの台数
冬や夏の構造見学会では、現場用のエアコンが設置されていたりしますが、その際エアコンが何台設置されているか確認してみてください。
断熱気密性能のいい家では、基本的にエアコン1台で家中の冷暖房をまかなうことができるため、何台も置く必要がありません。
そのため、現場にエアコンが1台しかないのに快適な温度で過ごせている家は気密性能が高いといえます。
逆にエアコンの台数が多い場合、その家の断熱気密性能は悪い可能性が高いので「高性能な家です」と言われても注意が必要です。
構造見学会に参加するメリット
構造見学会に参加する大きなメリットは、住宅展示場や完成見学会では見られない施工部分を自分の目で確かめられることです。
住宅展示場で「○○工法なので高気密です」「断熱等級は6です」と言われても、クロスを剥がすと施工が不適切で本来の性能を発揮できていないことも珍しくありません。
契約前に丁寧な施工をしてくれる工務店かわかれば、家を建てた後に性能面で後悔せずにすみます。
この他にも、温熱環境を実感できたり、工務店の対応について知ることができるのも構造見学会に参加するメリットです。
構造見学会へ参加する前によくある質問
構造見学会に参加する際、準備や注意点などよくある質問について紹介していきます。
依頼しない方がいい工務店を一目で見分けるポイントはありますか?
一目で施工を丁寧にしてくれる工務店かそうでないかを見極めるポイントがあります。
それは、断熱材の入れ方です。
袋入り断熱材を使っているのに、メーカー名や商品名がパッと見て一面に見えないような工務店はおすすめできません。
メーカー名や商品名が一目で見えないのは、断熱材がグチャグチャに入っていたり、変なカットをされていて正しく詰められていない可能性があるからです。
また、気密シートに手を当てて2mほど歩いた時、デコボコと感じる場合は気密シートがよれていたり、断熱材が無理に詰め込まれていたりする可能性があります(※実際に行う際は工務店の許可をとってください)。
断熱材は過不足なくピッタリ詰め込まれていないと100%の性能を発揮できません。
契約時に最高ランクの断熱材を使い、断熱等級が6や7になる場合でも、施工が悪いと性能が半分以下になることもあるのでよく確認しましょう。
NGな断熱施工について詳しくは下の動画をご覧ください。
構造見学会ではどのような持ち物が必要ですか?
申込み時に、工務店側から持ってきてほしいものについて説明がありますが、特別必要なものはなく説明を残せるメモや筆記用具を準備しておきましょう。
また、施工の状態をしっかり確認したい人は、チェックポイントをメモなどにまとめておくことをおすすめします。
構造見学会当日はどのような服装で参加すればいいですか?
構造見学会を行う現場では、歩きづらい場所もあるため当日は動きやすい靴で参加しましょう。
また、見学の際にヘルメットを着用しますので、着用しやすい髪型で参加することをおすすめします。
構造見学会に参加する際に注意することはありますか?
構造見学会は、あくまで施主様の厚意で見学させてもらっています。
そのため、不用意に触れて壊したり汚したりしないように注意が必要です。
また、施主様によっては「家の内部を撮影されたくない」という人もいますので、撮影したい人は必ず工務店に確認をとりましょう。
見学の際には工務店側で指示がありますので、それに従って行動してください。
構造見学会への参加は、高性能で長持ちする家づくりするためには欠かせません。
住宅展示場や完成見学会とあわせて参加することで、より具体的に「理想の家」をイメージできるようになります。
構造見学会では、以下の4つのポイントについてよく確認しておきましょう。
- 床・壁・天井の断熱気密施工
- 外壁の防水処理と通気層
- シロアリ対策
- 現場の状態
構造見学会に参加したからといって、その工務店と契約しなければいけない決まりはありません。
いくつか気になる工務店の構造見学に参加してみることをおすすめします。
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