【新築】建売住宅のヤバい家の実態丸裸!
チャンネル登録をよろしくお願いします!
こんにちは、日本住環境 広報部(イエのサプリ編集部)です。
このブログでは良い家づくりに必要な情報を丁寧に解説していきます。
これから家を建てたいと考えている一般の方はもちろん、実際に家づくりに携わっている方にも「タメ」になる情報をお届けします。
注文住宅と比較して安価にマイホームを購入しやすい建売住宅。
しかし建売住宅はローコストで品質を担保しづらく、気密性能もあまり考えられていない住宅が多いなどデメリットもあります。
ではHPやチラシで「高気密高断熱」を謳った建売住宅があれば、温熱環境に問題のない住宅購入ができるのでしょうか。
今回のブログでは、気密性能の高い建売住宅はあるのか、建売住宅を購入するうえで注意するべきポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次 [表示させる]
気密性能の高い建売住宅はある?

結論:気密性能の高い建売住宅はあります。
後述しますが、イエのサプリ編集部で実際に調査した住宅は気密性能がC値=0.8㎠/㎡の高気密住宅でした。
※C値は0㎠/㎡に近づくほどスキマがなく、高気密な家になる。イエのサプリではC値=1.0㎠/㎡以下を目安として高気密住宅と考えている。
しかし気密性能の高い建売住宅の数は決して多くはなく、住宅購入を検討されている地域にそう都合よくあるとは限りません。
以下では高気密高断熱を謳う建売住宅を購入する際の注意点について紹介します。
高気密高断熱と謳っていても要注意!建売住宅を購入する際の注意点

HPやチラシ等で高気密高断熱を謳った建売住宅があっても注意が必要です。
なぜなら高気密高断熱には明確な基準やルールがないため、実際には高性能と言えないような数値でも高気密高断熱住宅を謳っている会社もあります。
また現在、気密性能に基準はありませんが、過去の基準を持ち出している会社にも注意しましょう。
1999 年に出された次世代省エネルギー基準(平成11年基準)では気密性能に以下の基準が設けられていました。
寒冷地では2.0㎠/㎡以下
その他の地域が5.0㎠/㎡以下
2009年にこの基準は撤廃されていますが、現在でもこの過去の基準値をもって高気密と謳っている会社もあります。
C値=5.0㎠/㎡は決して高気密ではなく、むしろスキマ風だらけの家と言えます。
詳しくはこちらの記事で
おすすめの関連記事
とにかく必要なのは住宅性能の仕様を確認することです。
気密性能は必ず気密測定をしているか確認すること

温熱環境で後悔したくない場合は、建売住宅購入の際は必ずその物件の住宅性能の仕様を確認してください。
例えば気密性能の場合は、気密測定を実施しているか確認するようにしましょう。
気密性能はカタログスペックではなく実測値なので、必ず検討している建売住宅で測定した値を確認してください。
気密性能の他にも、断熱性能や窓の性能などもあわせて確認できると安心です。
担当者に「気密性能の測定はしていますか?」「断熱性能の等級はいくつですか?」「窓はどのような性能のものを使っていますか?」など質問を投げかけてみてください。
詳しくはこちらの記事で
おすすめの関連記事
HPやチラシで高気密高断熱を謳った建売住宅があっても鵜呑みにはせず、住宅性能に関する知識をしっかり身につけた上で仕様を確認するようにしましょう。
ただそれでも建売住宅の購入検討時には、すでに建物が完成していることが多いため、施工中の不備・欠陥に気づきにくい点は注意が必要です。
欲を言えば建築中の施工の様子も確認したいところですが、これに関しては注文住宅でないと難しいのが現状です。
注文住宅ならまだ物件が完成する前の中間気密測定でスキマがあったとしても、正確な位置が特定でき、すぐに手直しもできます。
実際に高気密を実現した建売住宅で住宅性能を調査してみた

イエのサプリではC値=1.0㎠/㎡以下を高気密住宅の目安としていますが、この佐々木邸の建売住宅では建築時のC値が0.8㎠/㎡と高気密住宅を実現しています。
さらに施主の佐々木さんが住み始めてから断熱気密リカバリーを実施し、温熱環境のさらなる向上をはかりました。
以下では高気密住宅ではあったものの、佐々木さんが実際に住み始めてから温熱環境面で気になった部分とリカバリーしたポイント、リカバリー後の驚きの気密性能を紹介します。
※イエのサプリ編集部では、リカバリーを推奨しているわけではありません。リカバリーをする際は専門家に相談の元、自己責任で実施してください。
窓は弱点になりやすい部分!リカバリーで家中の窓に内窓を設置

窓は住宅の中でも特に熱損失が大きい部分です。
佐々木邸の購入時についていた窓は全てアルミ樹脂複合窓のため、樹脂窓と比べると温熱環境の面では弱点になりやすい部分です。
また佐々木邸はリビングが吹き抜けになっており、リビング上の大きな窓からのコールドドラフトは想像以上に寒さを感じたようです。
そこで佐々木さんは家の中のほとんどの窓に自作で内窓設置のリカバリーをしています(南面の大きな掃き出し窓は業者に依頼)。
窓の大きさや種類にもよりますが、小さい窓であればホームセンターの材料で2000~3000円程度で制作できるようです。
窓面を強化したことで、体感での温熱環境は相当向上したようです。
床と壁の取り合い部は最も気密欠損しやすい場所!床下のスキマをすべて気密テープでふさぐ

床断熱の家の場合、床下の断熱気密処理が甘いとそこが弱点となり、1階の床全体が冷やされてしまいます。
また床と壁の取り合い部は気密が最も取りづらい部分でもあるため、気密処理が適切にされていないとスキマ風を感じるケースがあります。
佐々木邸でも床と壁の取り合い部である巾木付近から冷気を感じたようです。

そこで佐々木さんは自ら床下に潜り、断熱材と木材のスキマをすべて気密テープでふさいでいます。
また、もともと入っていた40㎜の断熱材にさらに50㎜の断熱材を追加することで断熱性能をあげています。

また家中の巾木をすべてコーキングで処理したことで、床面からのスキマ風を感じなくなったそうです。
コンセントもスキマ風を感じやすい場所!すべてのコンセントカバーに気密カバーを追加置

コンセントボックスやスイッチボックスはスキマ風の原因になりやすい箇所のひとつで、この原因は間仕切り壁からの気流です。
佐々木邸の断熱構成は屋根断熱、床断熱のため、屋根面(天井面)での気流止めは必要ありません。

ここでは床面での気流止めが適切になされていなかったことに原因があるようです。
気流止めについてはこちらを参照してください。
おすすめの関連記事
佐々木さんは、前述の床下の断熱気密の強化にあわせて、さらにすべてのコンセントボックスに専用の気密カバーを追加し、スキマ風を徹底的に抑えています。
リカバリーで気密性能が大幅に向上!C値=0.8㎠/㎡→C値=0.4㎠/㎡に


上記のようなリカバリーを施した結果、佐々木邸の気密性能は建築当初のC値=0.8㎠/㎡が大幅に向上し、取材時にはC値=0.4㎠/㎡という驚くべき結果となりました。

ただ佐々木さんにインタビューをしたところ、施工中は暗く狭い床にもぐって施工処理を行わなければならず非常に大変だったという苦労話が絶えませんでした。
建築中であれば床面の気密処理は明るく広い場所で行えるため、建築後と比べても格段にやりやすく、施工精度も向上できます。
やはり最も望ましいのは住むうえで納得できる住宅性能の仕様であること、リカバリーが不要な家を選ぶことです。
リカバリーを前提に住宅選びをせず、契約前にしっかりと住宅性能の仕様を確認しましょう。
要注意!高気密住宅こそ気を付けるべき換気設備

高気密を実現した佐々木邸ですが、換気計画は正しく機能しているのか調査しました。
住宅の24時間換気は建築基準法で、1時間あたり家の体積の半分である0.5回の換気が義務づけられています。
佐々木邸の必要換気量は162.76㎥/hですが、実際は119㎥/hで換気回数0.36回/hと少し足りない数値でした。
パイプファンは換気不足に要注意

佐々木邸ではダクトレス式の第3種換気、通称:パイプファンが採用されています。
しかし、パイプファンはパワーが弱く、風の影響を受けやすいため安定した換気量を保てない上、高気密になればなるほど換気量が弱まっていくという弱点があります。
佐々木邸に設置されているパイプファンでも換気量の実測をしたところ、窓を閉めた状態(高気密状態)の換気量は28㎥/hで、窓を開けた状態(低気密状態)の換気量は35㎥/hとなりました。
やはりパイプファンは高気密になればなるほど換気量が減ってしまうことがわかります。
佐々木邸のように高気密住宅の場合、パイプファンは室内の圧力に負け十分な換気ができなくなってしまいます。
パイプファンは逆流に要注意


さらにパイプファンで注意すべき点が、キッチンのレンジフードを同時に回している際などはパイプファンのパワーが圧力に負けて、ファンが逆回転する「逆流」の現象が発生しやすいことです。
そこで逆流対策に設置されることが多いのがシャッター付きのパイプファンです。
佐々木邸では入居当初はシャッターなしのパイプファンが設置されており、換気回数も0.54回/hと基準を満たしていたものの、逆流対策として設置したシャッター付きのパイプファンに変更したところ、今度は逆に換気量が下がってしまいました。
いずれにせよ高気密住宅でパイプファンを設置することはおすすめできないという結果になりました。
換気機能付きの窓(換気框)に要注意
そしてもう一つ注意すべき点が給気口です。
(下図)一般的な第3種換気の自然給気口

(下図)換気機能付きの窓(換気框つきの窓)

一般的に第3種換気では写真のような個別の給気口が設けられていますが、佐々木邸では窓に給気口が設けられているタイプのものでした。
この換気機能付きの窓は、外壁に給気用のグリルを設置しなくて良いなど、デザイン面でのメリットから取り入れられることがあるものです。
一見窓に換気機能もついていて便利なように見えますが、実はイエのサプリではこの窓をおすすめしていません。
【注文住宅】○○付き窓で後悔!これだけはオススメしません【Q&A】
そしてこの換気機能付きの窓が換気計画(給気経路)に含まれている場合、この窓の給気口は常時開けておかなければいけません。
※換気計画に含まれているかどうかは設計図書で確認ができます
また給気量が減ってしまうため、換気機能付きの窓には内窓も設置することは避けるべきです。

佐々木邸でもリビングの掃き出し窓に付いている換気機能付きの窓に内窓を設置するべきかを悩んでいたようです。
そこでイエのサプリ編集部が実際に佐々木邸の全ての窓の換気機能付きの窓の給気量の合計を調査したところ、αAが20㎠/㎡ぐらいしかありませんでした。
※αA(相当隙間面積)…開口部の抵抗を考慮した実効的な開口面積のこと。室内外の圧力差9.8Pa時の通気量から、そのスキマ(ここでは窓の給気口)と同じ通気量の単純開口の有効面積を算出した値。有効開口面積・実効面積とも言う。
換気システムはダクト式がおすすめ
安定して換気をするためには、換気経路を設計しやすいダクト式がおすすめです。ダクト式換気であれば換気量があるため、狙った場所の換気がしっかりとできます。
しかし、住んでからダクト式への変更は難しいため、注意が必要です。建売住宅を検討する際は換気システムも入念に確認するようにしましょう。
まとめ│建売住宅は契約前にしっかり仕様確認を!
佐々木邸のように高気密高断熱な建売住宅も実際に存在します。しかし、数が少なく希望のエリアにあるとは限らないので注意が必要です。「気になる箇所は購入後にリカバリーすればいい」という考えもありますが、リカバリーは費用や時間も多くかかるうえに補修できない箇所も発生してしまいます。
建売住宅を検討している方は住宅の仕様に十分納得できた状態で購入するようにしましょう。住宅性能や高気密高断熱の考え方についてはぜひ当ブログやYouTube動画を参考にしてみてください。
高気密高断熱の考え方についてもっと学びたい方はこちら
建売住宅で起きた悲劇と高気密高断熱に潜む罠!購入する際の注意点