【【超有料級】スーパー工務店が高気密の技術を大公開!プロも絶賛する驚きの施工とは?】
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こんにちは、日本住環境 広報部(イエのサプリ編集部)です。
このブログでは良い家づくりに必要な情報を丁寧に解説していきます。
これから家を建てたいと考えている一般の方はもちろん、実際に家づくりに携わっている方にも「タメ」になる情報をお届けします。
「お金をかけて高性能な断熱材を使えば、UA値(断熱性能)を上げることは簡単です。ただその断熱材の性能を100%発揮させるためには気密が必ず必要です。断熱材を活かすも殺すも気密次第なんです。」
こう話すのは株式会社シーズン 専務取締役の浅田さん。
自身も長年現場で手を動かしてきた経験から、温熱環境…特に気密性能には強いこだわりを持って家づくりをされてきた方です。
今回は株式会社シーズンの協力を得て、超高気密高断熱住宅の現場を取材してきました。
断熱材の敷き方や気密シートの張り方、配管・配線の処理の方法など、断熱気密の施工ノウハウについても詳しく紹介していきます。
これから家づくりをされる方、そして家づくりに携わる実務者の方にも参考となる内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。
目次 [表示させる]
スーパー工務店の超高気密住宅の現場へ潜入!
今回の現場は山梨県富士吉田市の物件です。
この日(2023年10月31日)の東京は20℃でしたが、富士吉田市の気温は14℃と肌寒い中での撮影となりました。
現場は断熱、気密施工がほぼ終わった段階で止めてもらい、どのような施工をしているかわかりやすいように撮影させていただきました。
※後日石膏ボードが張り上げられた後、中間気密測定を実施しています
この物件の断熱性能は
日本では北海道から沖縄まで、その地域や気候ごとに8つの断熱性の地域区分があります。
富士吉田市は関東の中でも比較的寒い地域にあたる4地域に該当しています(ex東京都千代田区は6地域)。
断熱の地域区分や等級についてはこちらのブログを参照ください
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この物件のUA値は0.39で4地域としては断熱等級6に相当しており、高い断熱性能を有した物件であることがわかります。
この物件の気密性能は
気密性能は「C値(相当隙間面積)」で表され、0㎠/㎡に近いほどスキマの少ない家、つまり「高気密住宅」と判断されます。
普段イエのサプリではC値=1.0㎠/㎡以下を「高気密住宅」と判断し、家づくりの際はこの数値を下回ることを目標とするように呼びかけています。
そんな中、今回訪問した現場は中間気密測定の結果がC値=0.2(0.19)㎠/㎡と非常に高気密な結果でした。
ほぼ無駄なスキマの無いこの物件ですが、どのような断熱気密施工が施されているのでしょうか。
スーパー工務店の断熱と気密へのこだわり!
この物件の断熱材は裸の断熱材(グラスウール)を使用しています。
関東から以西の比較的温暖な地域では袋入りの断熱材が多くあまり見慣れないかもしれませんが、北海道のような寒冷地では主流の断熱材です。
ではどのような点が違うのでしょうか。
裸の断熱材と袋入り断熱材の違い
袋入りの断熱材はその袋が気密シートの役割を果たし、柱部分に袋を被せてテープ処理をすることで断熱気密をとります。
こう聞くと手軽で良く聞こえますが、ジョイントに使用するテープの本数が多くなったり、筋交や配管部などスキマができそうな場所は一旦袋から出して施工後、ビニールを被せる必要があるなど想像以上に大変です。
※上の写真は別物件のもの。配管やコンセント周りの処理ができておらず、気密テープではなく養生テープで処理されている。
また袋入りの中に入っている断熱材と、裸の断熱材とを比べても断熱材本来の断熱性能(断熱材の密度)が違うため、この物件では性能重視で裸の断熱材を使用しています。
気密についても別張りの気密シートを使っており、袋入り断熱材の袋部分と比べても格段に性能面でアドバンテージのある部材を使用しています。
具体的には袋入り断熱材のシート部分の厚みが20μ〜60μ(約0.02㎜〜0.06㎜)に対して、別張り気密シートの厚みは200μ(約0.2㎜)程度あります。
適度に厚さと重みがあり、耐久性もあるため気密がとりやすい部材になります。
断熱も気密も部材本来の性能を重視している点はこだわりポイントと言えます。
断熱材と気密シートのこだわり施工
裸の断熱材+別張りの気密シートを使用したとしても、施工が雑では意味がありません。
例えば写真のように断熱材にスキマがある状態で面材が貼られてしまうと、その部分が断熱欠損になってしまいます。
今回の現場では写真のように断熱材がスキマなくつめられており、とても丁寧な施工であることがわかります。
浅田さん曰く「グラスウールはすごくデリケートなので、ギュウギュウと押し込むような施工だとスキマになってしまうため、ふわっと優しく表面に出すように施工している。」とのことです。
また断熱材の施工後、気密シートはシワやたるみをつくらないように張った上で、気密シート同士の重ね合わせは気密テープで連続させています。
スーパー工務店の気密施工の細かいこだわりポイント
株式会社シーズンでは全ての物件で常にC値=0.3㎠/㎡を下回るような施工をしているとのことです(直近10棟の平均はC値=0.19㎠/㎡)。
引き違いサッシの有無などで数値に若干の変化はあるものの、全ての物件で同じような気密施工をしています。
どのようなこだわり施工をしているかを聞いてきました。
気密へのこだわり①配管の気密処理
壁に位置する24時間換気の給気口部分は、配管のための穴が空いており、断熱材と気密シート部分も貫通するためスキマになりやすい箇所です。
給気口周りを気密テープで処理する際に、転圧(上から押して圧着させること)することでスキマをなくしています。
この一手間を加えることで、気密テープがしっかり密着し、貫通部分であっても気密層の連続が可能になります。
気密へのこだわり②配線部分の気密処理
壁を貫通する部分では配線部分も気密欠損が起こりやすい箇所です。
株式会社シーズンでは電気屋さんにお願いして写真のように電線を1本ずつ離して施工してもらっているそうです。
その後大工さんが1本1本テープ処理を行いスキマができないようにしているなど、細かい部分まで気をつかっています。
浅田さん曰く「線をまとめて2〜3本束ねた状態でテープ処理をしても、つまようじの先のような穴が空いてしまう」とのことです。
天井についた配線も一本一本が丁寧にウレタンを吹き付けて補修をされており、気密へのこだわりが感じられます。
気密へのこだわり③基礎の断熱気密処理
この物件での床面の断熱は全面基礎断熱で行われています。
基礎の立ち上がり部分は基礎コンクリートの内側と外側でサンドイッチするように断熱材を挟み込んで、基礎内+基礎外断熱のダブルで断熱をして住宅内の熱を外へ逃がさないようにしています。
ただ基礎外で断熱をすることは温熱環境的にはプラスですが、心配なのはシロアリの問題です。
通常、基礎外断熱は基礎コンクリートが出来上がった後に後付けで断熱材を圧着するケースが主流で、この圧着も外周全てを同じ分量で完璧にこなすことは難しいとされています。
そしてこの断熱材の圧着が甘い部分などがシロアリの侵入経路になることがあるので、基礎外断熱をする際はここの対策はマストと言われています。
株式会社シーズンの基礎外断熱は後付けではなく、基礎のコンクリートを流し込む段階で型枠代わりに断熱材を使ってほぼ完全に圧着させ、さらに防蟻用の断熱材を使うことでシロアリ対策をしています。
次に気密に関しては布基礎と土台の間はそのまま乗せてしまうと不陸(水平でないこと)になってしまうので、必ず気密用の部材が必要です。
この物件では布基礎と土台の間に、ゴムチューブ状の気密用パッキンが入っています。
一見1〜2㎜のスキマがあるように見えますが、アンカーボルトを締めることによって土台と基礎との間でパッキンがつぶれてしっかりと気密がとれます。
断熱と気密、さらにシロアリ対策までこだわっていることが伺えます。
スーパー工務店の窓へのこだわり!
窓は断熱外皮の中でも特に断熱性能が弱い部分です。
例えばアルミは樹脂に比べ約1000倍熱を伝えやすいと言われており、当然アルミサッシが住宅の窓に使用されていれば、そこからの熱欠損は他の部位の比ではありません。
今回の物件では全ての窓に断熱性能の高い樹脂窓を使用しています。
さらに株式会社シーズンでは最初の提案時から引き違い窓をおすすめしておらず、この物件でも引き違い窓は一つもありませんでした。
浅田さん曰く「引き違い窓はその召合わせ部分にどうしてもスキマができてしまい、その部分が弱点になりやすい。構造上仕方のない部分ですが、樹脂窓のように性能の良いサッシを使用するのであれば、気密の観点からするともったいない。」とのことです。
ではどのような窓を使用しているのでしょうか。
窓へのこだわり①
この物件で使用している窓は、1Fのリビングに位置するメインの大開口窓は、片側がFIXで右側がハンドル式で開くテラスタイプの窓です。
FIXの窓は明かり取り用の開かない窓なので、気密が最もとりやすい窓です。
また右側に位置する開き窓はロックをかけるとパッキンがつぶれてしっかり気密がとれる仕様で、こちらも比較的気密性を担保しやすい窓になっています。
2Fに使用している腰高の窓は中央がFIXで左右が縦滑り窓になっています。
この縦すべり出し窓はハンドル式での開閉で、四方にパッキンがついており、閉める時はパッキンをつぶしてしっかり気密がとれます。
この物件では他の窓もほとんどがこの縦滑り窓になっており、気密へのこだわりを感じます。
窓へのこだわり②
そしてこの物件でのもう一つの大きな特徴として、窓枠を一切使用していないことが挙げられます。
窓枠をつける理由の一つにサッシ (窓枠+框)が結露した場合に、サッシ周りの壁紙(クロス)が劣化したり剥がれたりすることを防ぐためにつけられます。
こういった結露の原因は窓周りの断熱気密欠損から生じますが、浅田さん曰く「我々の物件では結露はしない、しないというかほぼその心配がない」とのこと。
C値=0.19㎠/㎡の高気密高断熱住宅で、さらに熱伝導率が非常に低い樹脂サッシを使用するこの物件では結露はほぼ起こりえないため窓枠を設ける必要がないようです。
窓枠がない分、シートとテープでの気密処理がしやすくなっており、さらに部屋がすっきり見えるというメリットもあります。
窓の四つ角部分はピンホール(スキマ)が空きやすい部分ですが、細かい部分まで気密テープで丁寧に処理されています。
スーパー工務店の換気へのこだわり!
ここまで高気密高断熱のこだわりを聞いてきましたが、最後に換気の話についても伺ってきました。
イエのサプリでは第一種換気、第三種換気を問わずにダクト式換気をおすすめしています。
ダクト式をおすすめする理由はこちら
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今回の物件では第三種ダクト式換気が採用されていました。
その理由を浅田さんに聞いてみると「お客様の要望によっては第一種の熱交換換気を採用することもあります。ただこれだけ高気密であればパイプファン(ダクトレス第三種換気)でやるような換気方法はおすすめできません。断熱と気密だけでは無く、暖冷房など全ての熱源や換気まで合わせての住宅性能ですので、トータルで最適なものをおすすめしています。」という回答でした。
住宅の気密性能は高くなればなるほど、不要なスキマからのスキマ給気ではなく、正しい入口である換気の給気口からの給気量の割合が高くなります。
この表の通りC値=0.19㎠/㎡であれば、本来であれば給気口から計画通り(約90%程度)に新鮮空気が入ってくるはずです。
ただこれだけ高気密住宅でパイプファンを採用した場合、レンジフードを使用した際など、パイプファンの逆流現象が起きる恐れがあります。
【注文住宅】高気密で起こる致命的なデメリット #shorts
この動画でわかるようにパイプファンはファンの力が弱いため、室内の圧力に負けてファンが機能しなくなり計画通りの換気ができなくなってしまいます。
こういったデメリットを考慮して、この物件では力のあるダクト式換気で計画通りに換気ができるよう配慮していることがわかります。
「高性能住宅が世の中に多く普及されることを願っています。」と言う浅田さんの言葉通り、今回は株式会社シーズンの協力の元、超高気密高断熱住宅の細部までこだわった丁寧な施工技術を惜しみなく紹介していただきました。
冒頭でも紹介した通りどれだけ高性能な断熱材を入れても、正しい気密処理をしなければその断熱性能は発揮されません。
加えて暖冷房、換気、通気など総合的な目線で住宅性能を考えることが、高性能住宅を建てる上では非常に重要です。
このブログがこれから家づくりをされる方、ひいては家づくりに携わる実務者の方の参考になれば幸いです。
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