【注文住宅】熱交換換気のダクト内の汚れがヤバい?放置した家の末路
チャンネル登録をよろしくお願いします!
こんにちは、日本住環境 広報部(イエのサプリ編集部)です。
このブログでは良い家づくりに必要な情報を丁寧に解説していきます。
これから家を建てたいと考えている一般の方はもちろん、実際に家づくりに携わっている方にも「タメ」になる情報をお届けします。
今年も年末の大掃除シーズンがやってきました。
家中の隅々までピカピカにするチャンスですが、忘れがちなのが「24時間換気」の掃除です。
換気システムは空気を清潔に保つために大切な役割を果たしていますが、フィルターやダクトにほこりや汚れがたまりやすい場所でもあります。
24時間換気は機械なので、掃除やメンテナンスを怠ると機械本来の性能が落ちてしまうだけではなく、故障の原因にもなります。
さらに住んでいる人の健康被害を招き、居心地の悪い不衛生な家になってしまう恐れもあります。
今回は、24時間換気システムのメンテナンスについて、よくある質問に回答しながら解説していきます。換気システムの選び方についても紹介していますので、家づくりを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
※24時間換気はメーカーによって掃除方法が異なります。ここで紹介する掃除方法はあくまで一例になりますので、掃除する前には必ず取扱説明書をお読みください。
目次 [表示させる]
【解説】ダクト式換気はダクト内の清掃が必要?
「ダクト式換気の場合、ダクト内も清掃したほうがいいのか?」という質問をよく受けます。結論から言うと、ダクト内の清掃はそれほど気にしなくても問題ありません。
ただし、ダクト内がきれいな状態を保つためには、本体側のフィルターを定期的に清掃・交換することが重要です。
24時間換気の排気口にフィルターをつけると吸引力が弱くなるため、一般的に排気口にフィルターをつけることは多くありません。
そのため、排気口側から多少のほこりがダクト内に入ることがあります。
しかし、ダクト内の空気は外気側に向かって常に流れているため、汚れた空気が居室に戻ることはほぼありません。
これにより、ダクト内の汚れはあまり問題にはならないのです。
では、給気口側にほこりが入るとどうなるのでしょうか。
イエのサプリ編集部で調査した物件では2年間使用した給気ダクト内がほとんど汚れていないことが確認できました。
他の物件でも、給気ダクト内が汚れていることはほとんどありませんでした。
これらの実例からも、ダクト内の汚れはそこまで心配する必要はないでしょう。
ただし、冒頭でお伝えしたように、ダクト内を清潔に保つためにはフィルターの定期的なメンテナンスが欠かせません。
【実例】20年間第1種換気のメンテナンス・掃除を怠った住宅
では、メンテナンスを怠った場合にどうなるのか、実際の例を見てみましょう。
ある住宅の20年間全くメンテナンスをしてこなかった第1種換気の写真です。
20年間一切メンテナンスされずに放置されてきたため、吸いこんだホコリなどの浮遊物が蓄積し、元の色がわからないほど汚れきっています。
イエのサプリ編集部が掃除しようとフィルターを取り出したところ、少し動かしただけで脚立や床に大量のホコリが落ち、触れただけで手が真っ黒になってしまいました。
汚れたフィルターから入ってきた空気を吸い続ける生活は健康に悪影響を及ぼすため、早めのメンテナンスが必要です。
真っ黒に変色したフィルターを外すと、第1種熱交換型換気に欠かせない熱交換素子が出てきます。
取り出してみると、白かったはずの熱交換素子にはカビとホコリが大量に付着して、真っ黒に汚れていました。
さらに、ダクト内にも汚れが入り込み、クモの巣まで発生しています。
このような状態になると、給気口から新鮮な空気ではなく汚れた空気やカビの胞子が各居室にばらまかれることになってしまいます。
この住宅は引き渡し当初はC値=0.5㎠/㎡をきっていたと考えられるほど高気密な住宅です。
※イエのサプリではC値=1.0㎠/㎡以下を高気密の目安としています
そのため、本来であればカビやシミができにくい家になるはずですが、天井の隅に油汚れやカビのようなものが見られました。
24時間換気が正常に作動せず換気不足な家は、たとえ高気密だとしても水蒸気や汚れた空気が停滞し、シミやカビができてしまいます。
【結論】フィルターの清掃・交換でダクト内の清潔さも維持できる
ダクト式換気の場合、本体側のフィルターの清掃・交換をしっかり行っていれば、ダクト内の清掃はあまり気にする必要はありません。
万が一もしダクト内が汚れてしまっていた場合は、専門のダクト清掃業者に依頼することを検討しましょう。
ダクト内の汚れや結露を取り除くためには専門的な技術が必要です。
料金などは業者によって異なりますので、ぜひ一度相談をしてみてください。
【解説】ダクトレス換気のほうがメンテナンスは簡単?
ここまで、ダクト式換気のメンテナンスについて解説しました。
それではダクト式に比べてダクトレス換気のほうがメンテナンスは簡単なのでしょうか?
答えは、ダクトレス式の換気システムもダクト式と同様に定期的なメンテナンスが必要です。
室内側についているフィルターを外して内部を清掃したり、内部に掃除機を入れてほこりを吸い込むように清掃したりと、メーカーによってメンテナンス方法は異なります。
取扱説明書に沿って日々のメンテナンスを欠かさないことが重要です。
【実例】10年メンテナンスしなかったダクトレス式換気の給気口
写真は築10年のメンテナンスを一切していなかった住宅の給気口です。ほこりがこびりついてしまっており、運転オンにして換気量を測定しても0㎥/hと一切換気ができていない状態でした。
このようにダクトレス式換気システムにもメンテナンスが必要です。定期的にフィルターを清掃しないと、目詰まりを起こして換気効率が低下し、正常に機能しなくなってしまいます。
ダクト式換気・ダクトレス式換気どちらがおすすめ?
イエのサプリ編集部では換気システムは第1種、第3種問わずダクト式をおすすめしています。
ダクトレス式換気には多くの場合プロペラファンが用いられますが、プロペラファンは抵抗に弱く、しっかりメンテナンスしていないとすぐに目詰まりしてしまいます。
目詰まりすると換気量が落ちてしまい、計画通りの換気ができなくなってしまいます。
特にプロペラファンはダクト式で使われるシロッコファンよりも力が弱いためそれが顕著に出てしまいがちと言えます。
換気システムはダクト式・ダクトレス式の種類に関わらずメンテナンスが必要です。これから家づくりを検討している方はできるだけ事前に情報を集め、工務店と話し合った上で納得のいく換気システムを決めることをおすすめします。
換気システムの種類については下記のブログで解説しています。ぜひこちらも参考にしてみてください。
おすすめの関連記事
24時間換気は機械なので寿命もありますが、寿命前に稼働しなくなる主な原因は、メンテナンス不足です。換気システムのメンテナンスは、年末の大掃除の一環としても忘れずに行いたい作業です。
24時間換気の簡単な掃除方法は下記のブログで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
おすすめの関連記事
フィルターの清掃や交換をしっかり行い、ダクト内の汚れを防ぐことで、健康的で快適な生活空間を維持しましょう。
特に、長期間メンテナンスをしていない場合は、専門業者による清掃を検討するのも良いかもしれません。
ぜひこの機会に換気システムをしっかりと点検し、新年を清潔な空気で迎えましょう。
24時間換気についてもっと学びたい方はこちら
高気密住宅も24時間換気で寒くなる