【保存版】新築でやるべき「床」の断熱気密のポイントまとめ
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こんにちは、日本住環境 広報部(イエのサプリ編集部)です。
このブログでは良い家づくりに必要な情報を丁寧に解説していきます。
これから家を建てたいと考えている一般の方はもちろん、実際に家づくりに携わっている方にも「タメ」になる情報をお届けします。
家づくりでは性能のいい部材を使っていても、正しく施工されていなければ十分な性能を発揮できません。
なので、契約する前に工務店がどのような施工をしているのか、構造見学会で確認することが重要です。
今回のブログでは「床」の施工に重点を置き、構造見学会へ参加した際にチェックしてほしいポイントを紹介します。
後悔しない家づくり・工務店選びのためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次 [表示させる]
【床の断熱気密編】構造見学会で見るべき3つのチェックポイント
構造見学会に参加した際、見てほしい壁の断熱気密のポイントは主に以下の3つです。
実際の施工写真などを参考に具体的なポイントについて紹介します。
1.配管・配線
床断熱では、床から立ち上がる配管にはすべて気密処理が必要です。
キッチンまわりの排水管やガス管、給湯管などはスキマができやすいため、どのように処理されているのか構造見学会で確認しましょう。
配線について、CD管を通す場合は配管と同じように気密テープを張るだけでは処理として不十分です。
CD管の中には灰色の配線がはしっており、CD管と配線の間にスキマから空気が逆流してくることがあります。
気密テープやコーキングで塞ぐ方法もありますが、リフォームする際に抜けなくなったり、後からやり直しが必要になったりするので、専用の気密パッキンによる処理がおすすめです。
配管や配線まわりのスキマを埋めるだけでも、C値が1.0㎠/㎡上がるケースもあります。
壁や天井と併せて家中の配管・配線の処理は確認しておきましょう。
2.床と壁の取り合い
床と壁の取り合いは気密層が途切れるためスキマになりやすく、巾木に手を当てると強いスキマ風を感じる住宅もあります。
巾木はあくまで仕上げ材なので、巾木によって気密性能が上がることは期待できません。
専用の気密部材を用いて構造面で気密処理をする必要があります。
気密のとり方としては気密シートを床までおろし、床面で折返しテープ処理。
四方全部を処理することで気密層が連続し、気密性を保つことができます。
3.和室(畳)の処理
和室はフローリングとの間に段差ができないように、下地を畳の厚さ分さげてつくられることがほとんどです。
下地に段差ができるため断熱気密層が途切れやすく、結果としてスキマ風が入り和室が寒くなってしまったり結露して畳にカビが生えてしまったりします。
寒い和室をつくらないためには、画像の赤いラインが気密処理されていることが重要です。
床断熱と基礎断熱の違いと構造見学会で見るべきところ
床の断熱気密工法には、主に床断熱と基礎断熱といった2つの工法があります。
ここでは、それぞれの違いと構造見学会で見るべきポイントについて紹介します。
床断熱と見るべきところ
床断熱は、文字の通り床面で断熱気密をとる工法です。
大引きの間に断熱材を敷き詰め、画像のように気密テープでつなぎ連続させていきます。
繊維系断熱材を使用する場合はテープが断熱材と接着しづらいため、気密シートを敷いてテープ処理をするか、剛床という厚めの木材を張り剛床と剛床を気密テープでつなぎます。
工務店の中には、剛床を張っただけで気密処理を終わらせてしまうところもあります。
ですが、何も処理されていないと剛床と剛床の間からスキマ風が発生するため、かならず気密テープによる気密処理が必要です。
床断熱は柱まわりに注意する
剛床で気密をとる際に、余裕をもって柱まわりには10㎜程度のスキマができます。
柱まわりにスキマがあっても剛床の下に断熱材があるため、スキマがあっても平気という工務店もいますが、気密テープで塞がないとそこから大量のスキマ風が入り込みます。
剛床で気密をとっている家の構造見学会に行く場合は、画像のように処理されているかチェックしましょう。
基礎断熱の断熱気密
基礎断熱は、床の下の基礎コンクリートの部分で断熱気密をとる工法です。
床断熱と違い基礎空間が室内と同じ扱いになるため、床を貫通する配管や配線の気密処理が不要になります。
基礎断熱で見るべきポイントは、気密層を連続するために基礎コンクリートに使用するパッキンです。
床断熱は通気パッキン、基礎断熱は気密パッキンと工法によって使い分ける必要があります。
基礎と壁の境目に手を当てて風を感じるか、覗いてみて向こう側に明かりが見えるか確認してみましょう。
また、気密パッキンが壁のシートと連続していることも重要です。
パッキンに付いている気密シートを立ち上げ、壁のシートとのつなぎ目を気密テープでつないでいきます。
これにより基礎と壁の連続性が守られ、スキマのない家ができあがります。
お風呂場を暖かくする床の断熱気密
北側に位置するお風呂場は、家の中でも特に寒くなりやすい場所です。
ただし、丁寧に断熱気密処理することで、暖かいお風呂場にできます。
ここでは、お風呂場で見るべき床の断熱気密について紹介します。
床断熱の場合のお風呂まわり
床で断熱気密をとる場合
床で断熱気密をとる場合、浴槽と外側の柱の間に40~50㎜のスキマができます。
暖かいお風呂をつくるのには、このスキマを埋めなければいけません。
気密テープやパッキン、断熱材などで気流止めしていくことになりますが、スキマの幅が大きいため処理が難しくなります。
塞ぎきれないケースもありますので、床で断熱気密をとりたい場合は浴槽と柱の間のスキマが埋められているか確認しましょう。
お風呂場だけ基礎断熱で断熱気密をとる場合
床でとるよりもおすすめなのが、お風呂場だけ基礎断熱にする方法です。
基礎断熱にすることで浴槽と柱の間にあるスキマを埋める必要がなくなり、配管処理も楽になります。
ただし、基礎断熱を採用する場合、床断熱と基礎断熱を繋ぐ人通口がしっかり塞がれているか確認しましょう。
人通口は人が這って通れる程度の大きさがあるため、塞がないままにしてしまうとC値が3.0㎠/㎡に近い家になるリスクがあります。
画像のように断熱材や専用部材でフタをし、コーキングや気密テープ、1液の発泡ウレタンで塞いであるか確認してみてください。
洗濯槽のパンにできるスキマの処理
お風呂場は配管や配線も多いためしっかり処理されていないと、スキマが発生しやすくなります。
特に洗濯槽のパンは、画像のように配管まわりの断熱材を大きくカットしたまま放置されているケースも珍しくありません。
大きな断熱欠損になってしまいますので、しっかり塞いでおく必要があります。
床断熱の家では、お風呂場の配管や配線がどのように処理されているのか確認しておくようにしましょう。
玄関で見るべき床の断熱気密
玄関は基礎と上がり框の接合部分に気密パッキンを入れ断熱気密層を連続させますが、よく確認すると通気パッキンが使用されている現場も珍しくありません。
通気パッキンを使ってしまうと、外気が入り込み足元が冷える玄関になってしまいます。
また、玄関にあるシューズクロークは仕上げ材が上に被さっていますが、通気パッキンが入っているとそこから外気が入り込みます。
実際にYouTubeの丸裸企画(築7年!地域工務店の住宅を丸裸にしてみた!※動画に遷移します)で訪問した家では、シューズクロークの裏にある框部分からティッシュが飛んでいく程度の風(風速2m/s)が入り込んでいました。
設計図に気密パッキンと記載してあっても、実際には通気パッキンが使用されている現場もあります。
実際に手を当てて風を感じるか、パッキンを覗いて穴が開いてないか確認しておきましょう。
構造見学会でチェックしてほしい床のポイントについて細かく紹介してきました。
どのような断熱工法を選ぶかによって、配管や配線などの処理が変わってくるため、構造見学会では希望する断熱工法で建てている現場を選ぶことをおすすめします。
断熱気密の処理は連続していることが重要です。
構造見学会で天井、壁、床の断熱気密処理を確認することで、納得のいく工務店を選ぶことができるでしょう。
構造見学会は公式HPなどから予約することができます。
▲NJKブログ【壁の断熱気密編】
【動画】「壁」の断熱気密のポイントまとめ
▲NJKブログ【天井の断熱気密編】
【動画】「天井」の断熱気密ポイントまとめ