こんにちは、日本住環境 広報部(イエのサプリ編集部)です。
このブログでは良い家づくりに必要な情報を丁寧に解説していきます。
これから家を建てたいと考えている一般の方はもちろん、実際に家づくりに携わっている方にも「タメ」になる情報をお届けします。
家づくりを始める際、まずは住宅展示場やオープンハウスで理想の家を探す人も多いでしょう。
しかし、住宅展示場やオープンハウスの家だけを見て、工務店やハウスメーカーを決めることはおすすめできません。
気密層や断熱層など完成後はボードやクロスで隠れてしまう部分こそ、快適な家をつくるために重要だからです。
どのように施工されているかは、構造見学会に参加して見極めましょう。
の記事では、床の気密施工について紹介しました。
今回は壁や窓の気密施工について、構造見学会に参加した際にどこを見て良い施工をしていると判断すればよいのか、見極める目を養っていきます。
目次 [表示させる]
構造見学会で壁の施工について見るべき4つのポイント
断熱材と防湿気密シートの連続性
多く出荷されている袋入り断熱材の場合であれば、その袋が防湿気密シートの役割を果たします。
そうでない裸断熱の場合は、別張りの防湿気密シートが必要になります。
(綺麗に施工された壁面/写真提供:株式会社シーズン)
上記写真では、ストライプが入ったアルミ箔のような防湿気密シートが壁に張ってありますが、半透明の物などもあります。
この防湿気密シートですが写真の通り綺麗に張られていればOKです。
たるみやシワがあるとスキマ風が入りやすくなってしまいます。
構造見学会の時は、このように綺麗に張られていて、ジョイント部にも白い気密テープが貼られていることを確認して下さい。
住宅の中の壁一周、綺麗に防湿気密シートが張られているのがまず大きなポイントです。
壁と床との取り合い部分
ここのジョイントにも必ず気密テープが必要になります。
(綺麗に施工された壁と床の取り合い部/写真提供:株式会社シーズン)
写真のように壁と床の交差している部分にきちんと防湿気密シートを伸ばして気密テープが貼られているかを確認して下さい。
これで床、床と壁とのジョイント、壁において綺麗に気密がとれていることになります。
こうすることでスキマがない住宅にまた一歩近づきます。
壁と窓・窓まわり
(綺麗に施工された窓周り/写真提供:株式会社シーズン)
窓周りというのはよく見ていただくと、柱の外に出ています。
そうなると気密層が切れてしまうので、写真のように防湿気密シートを巻き込んだりスキマを気密テープでとめたりします。
窓周りは防湿気密シートや、気密テープ、気密パッキンなどで全て覆われている状況を確認して下さい。
シートが半透明の場合、透けて見えるのは大丈夫ですが「木材が出てないこと」これが窓周りのポイントです。
壁とコンセントボックス・スイッチボックス
弊社へのお問い合わせで一番多いのが、このコンセントボックスやスイッチボックスから「スキマ風がある」というお問い合わせです。
24時間換気やレンジフード、もしくはお風呂の換気扇を回した時に「ちょっと風を感じる」とか「足元が寒いな」と感じたらまずコンセントボックスやスイッチボックスに手を当ててみて下さい。
スキマ風が入ってくるのを感じられると思います。
このようなスキマ風を防ぐためにはコンセントボックス、スイッチボックス専用の気密をとる部材を使用する必要があります。
(専用部材で施工された例/写真提供:株式会社シーズン)
構造見学会ではその部材を使っているかを確認して下さい。
そしてまた連続のお話になりますが、その部材と防湿気密シートがきちんと気密テープでとめられているかもポイントとなります。
スキマを埋めないとどうなる?スキマ風のデメリットとは
スキマを埋めないとどうなる?実例を紹介
この動画は煙を使ってスキマを特定する検証、通称:フォグ試験です。
コンセントボックスから動画のように煙がどんどん入ってくるのがわかります。
この煙がスキマ風だと考えれば、ここに大きなスキマがあることが一目瞭然です。
スキマ風のデメリット
このような住宅では、冬は居室内にスキマ風が侵入して寒くなってしまいます。
例えば外気が0℃だとして、その風が全部洗面脱衣所の中に入ってきたとします。
そうすると洗面脱衣所が外気の温度にどんどん近くなってしまいます。
(ヒートショックが起きるイメージ)
服を脱ぐ場所が真冬の外気温と同じだと考えると非常に寒いですよね。
そして、脱衣所とお風呂場の温度差によって起こるヒートショックなどの悲しい事故を防ぐためにも、コンセントボックス、スイッチボックスのスキマは必ず埋めましょう。
(交通事故よりも多いヒートショックの死亡率)
参考:警察庁HP「平成29 年中の交通事故死亡者数について」「厚生労働省科学研究費補助金 入浴中関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究(2014 年)」
壁も床と同様、シートや、専用の部材を使った気密層の連続がポイントです。
気密シート、気密テープ、もしくは気密パッキンでも構いません。このような部材が
構造見学会に行った時に、住宅に使われているのならば
その家は間違いなく高気密の住宅と言えると思います。
以上が壁のポイントです。
併せて確認しよう!
構造見学会で見るべきポイント「床」「天井」編