防水通気の秘訣】家づくりで絶対に真似したい外周りのポイント
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こんにちは、日本住環境 広報部(イエのサプリ編集部)です。
このブログでは良い家づくりに必要な情報を丁寧に解説していきます。
これから家を建てたいと考えている一般の方はもちろん、実際に家づくりに携わっている方にも「タメ」になる情報をお届けします。
家の防水対策や通気層の確保はできていますか?
こう聞かれてしっかり答えられる人はあまりいないのではないでしょうか。実は住宅事故の中でも、結露などの防水事故は約8割を占めています。
防水事故は、しっかり対策をしておけば防げることがほとんどです。今回の記事では、防水や通気の役割や必要性、家を建てる際に確認しておくポイントについて紹介します。
目次 [表示させる]
防水層・通気層の役割
防水層や通気層は外壁すぐ内側にあり、普段目にすることはありません。
ここでは、防水層と気密層がなぜあるのか、その役割について紹介します。
防水層の役割とは
防水層は雨水の浸入を防ぐと同時に、家から出る水蒸気などの湿気を通気層へ排出する2つの役割をもっています。
防水対策がしっかりされていなかったり、どちらか一方が役割が機能しなかったりすると、水分が合板に染みこみ腐食するなど様々な不具合が発生します。
通気層の役割とは
通気層は室内から出た湿気などを排気して、常に乾燥状態を保つことで結露を防止する役割があります。
1990年ごろは通気層をつくらず防水シートの上に直接外壁を張る「直張り工法」が採用されていました。
しかし、直張りになるため屋内から出た空気を排気できず、カビが生えてしまったり、溜まった湿気が外に出ようと動くせいで外壁が剝がれてしまったりと様々な不具合が出てしまったのです。
それにより2000年以降は、通気層をつくる外壁通気工法が普及し、ほとんどのハウスメーカーや工務店が採用するようになりました。
小屋裏結露防止には小屋裏換気も必要
壁内の結露を防ぐためには、通気層の確保と同時に小屋裏換気(軒換気や棟換気)を設置することも重要です。
小屋裏換気には、通気層を通って集まった空気を排気したりや必要に応じて自然給気する役割があります。そのため、小屋裏換気を設置していないと、集まった湿度の高い空気が小屋裏空間へ溜まり結露することがあります。
防水と通気に不備がある家で起こりやすいトラブル
防水対策や通気層の確保、小屋裏換気を設置していない家では、様々なトラブルが起こりやすくなります。ここでは、起こりやすいトラブルについて紹介します。
壁内結露(内部結露)による腐朽菌やシロアリの繁殖
防水対策や通気層を確保できていない家で1番注意しなければいけないのは、見えないうちに進行する壁内結露です。
壁内結露が進めば小屋裏などに大量の結露水が溜まりクロスへ染み出してきたり、家中の壁内がカビだらけになってしまったりするかもしれません。
さらに恐ろしいのは、木材腐朽菌とシロアリの繁殖です。
木材腐朽菌はカビとちがい、生えると木材を腐らせる恐ろしい菌類の一種です。また、結露により木材の水分が増えることで湿度を好むシロアリが繁殖し、腐朽菌と一緒に家の耐久性を大きく低下させます。
耐震性の高い家でも、地震がきた際に木材の腐食やシロアリが原因で倒壊してしまうこともあるようです。
高いお金を出して耐久性のある家をつくったのに、ローンだけが残った…。
そんなことにならないためにも、家を建てる際に防水と通気、小屋裏換気についてしっかり確認しておきましょう。
小屋裏空間が高温多湿になり室内まで暑くなる
通気層の確保や小屋裏換気措置がしっかりできていないと、湿気がこもり日射により屋根が熱せられることで、小屋裏空間がサウナのようになってしまいます。
そうなると、結露はもちろんですが天井に熱が伝わり、最上階の部屋だけ暑く不快な家になってしまうかもしれません。
長持ちする家をつくる防水・通気のポイント
気密性能などは数値が出るため、実際に測定してもらい確認することができます。しかし、防水や通気については、必要な部材がしっかり付けられているかなど目で確認するしかありません。
ここでは、C値0.15㎠/㎡の超高気密住宅の防水対策や通気層の確保の仕方を参考に、どういったところを見ておくといいのかについて紹介します。構造見学会などでぜひ確認してみてください。
壁面における防水と通気のポイント
防水:防水シートは下から少し重ねて張っていく
防水シートを張っていく時に、注意すべきポイントは2つあります。
1つ目は、必ず防水シートを下から張っていくことで、2つ目がシートを張る時は縦90㎜以上、横150㎜以上重ねることです。
防水シートを下から重ねて張っていけば、通気層内に雨水が入ってきても防水シート内に浸入されず、地面に排出できます。
丁寧なハウスメーカーや工務店ではテープ処理をしてくれますが、たとえ処理がなくてもこの2つのポイントさえ守られていれば、防水できますので安心してください。
▲C値0.15㎠/㎡の家では、丁寧にテープ処理されている。
通気:通気胴縁の有無と軒の部分に空気の出口があるかを確認する
通気に関して確認してほしいのは、まず通気層になる通気胴縁があるかどうかです。
▲防水シートに設置されている通気胴縁。最近では木ではなく金物の場合もある。
基本的にありますが、万が一を考えた場合に確認しておくと安心です。防水シートの上に一定の間隔で設置されているのですぐわかると思います。
次に確認してほしいのは、通気胴縁を下から辿った先の軒天に、有孔ボードなどの給排気口があるかどうかです。
▲軒天の有孔ボードのある家
家によっては画像にある有孔ボードのように、一目でわかるような通気見切り部材を使用していないこともあります。通気層から入った空気がどこから出るのか、打合せの際によく確認しておきましょう。
【おすすめの動画:実は軒換気の設置義務はない?換気量の足りない現場とは】
通気:窓まわりに通気層をつくる際のポイント
窓枠の下にも通気層は必要なので、通気胴縁が設置されます。その際に窓枠にぴったりくっつけず、空気が横へ移動できるように間隔をつくってあげることが重要です。
▲横移動できる間隔が確保されている。この間隔のない現場もけっこう多いそう。
通気胴縁が窓枠にぴったり設置すると、下から入ってきた空気が出口を失いそこに停滞してしまいます。その結果、外壁の劣化や変色、カビが生えてしまうなどのトラブルが発生します。
家の外まわりを見る際にはよくチェックしておきましょう。
防水:配管・配線における防水のポイント
防水層も気密層や断熱層のように連続させることが重要です。
そのため、配管や配線部分に対しては、専用部材を使用したり丁寧にテープ処理されていたりするかを確認しましょう。
▲丁寧なテープ処理がされている
配線はサイズが合わず専用部材がないことも多いため、とにかく丁寧なテープ処理が必要です。
スキマがないようにテープが貼られているか、めくれ上がっていないかなど確認しておきましょう。
性能の高い長持ちする家をつくるには、高気密高断熱だけでなく防水や通気についても、丁寧に対応してくれる工務店を選ぶことが重要です。
ただ、「丁寧に防水、通気の対応をしてください」といっても、数値で測れないので希望するようなものになるとは限りません。
防水対策や通気層の確保をどのようにしているのか知りたい人は、構造見学会へ行き家の外を確認してみることをおすすめします。また、契約する際に「劣化対策をお願いします」と伝えるようにしてみてください。
気密性能のよい家を建てるハウスメーカーや工務店では、防水や通気に関しても丁寧に対応している傾向があります。なので、ハウスメーカーや工務店選びに迷ったら、まずC値はどのくらいか、気密測定をしているのかについて確認してみてください。
こんなハウスメーカー・工務店には注意!
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